【鍼灸特集①】痛みって何? | 2020/06/30

 

訪問鍼灸を開始して、約半年が経過しました。

予想以上のご関心を寄せていただき、誠にありがとうございます。

より多くの皆様の鍼灸への理解と選択に資するべく、現代科学で解明されている鍼灸について、前もってザッと解説しておこうと思います。

なるべく最新の情報に基づいてまとめておりますが、できる限り分かりやすくするため簡潔に表現している部分があり、あくまでも参考程度にお読みください。

 

そもそも痛みって何?

国際疼痛学会では痛みを「実際の組織損傷や潜在的な組織損傷に伴う、あるいはそのような損傷の際の言葉として表現される、不快な感覚かつ感情体験」と定義している(訳:日本ペインクリニック学会)。

つまり、痛みとは主観的な感覚・感情であり、患者さん本人が「痛い」といえば「痛み」があると考えます。

 

感情体験の部分は、よく「情動」とも訳されます。

痛みはとても不快な感覚で、「怒り」や「イライラ」、「悲しみ」、「不安」、「恐怖」などの感情が湧いてきて、「呼吸が荒くなる」、「血圧が上がる」、「動悸がする」、「冷や汗をかく」などの身体的な変化が起こります。

 

痛みは体の異常を知らせる警告信号であり、無視してはいけません。

(「痛み」の他に、「発熱」と「疲労」と合わせて、体の異常を知らせる「三大アラーム」と呼ばれたりします。)

最近では、痛みを単なる体の症状ではなく、全人的苦痛(トータルペイン)として捉え、「身体的苦痛」「社会的苦痛」「精神的苦痛」「スピリチュアルペイン」という4つの側面が関連して起こると考えます。

 

痛みの種類

※本節の詳しい解説は他の専門書等に譲ります。

 

痛みの原因による分類

  • 侵害受容性疼痛 … 痛みを感じるセンサーが反応した痛み。
  • 神経障害性疼痛 … 神経そのものが傷付いた痛み。
  • 心因性疼痛 … 異常はないが、心の問題で起こる痛み。

 

痛みの部位による分類

  • 体性痛 … 皮膚、筋肉、骨、関節などの痛み。痛む場所が明確で、鋭い痛み。
  • 内臓痛 … 内臓からくる痛み。痛む場所が不明確で、鈍い痛み。
  • 関連痛 … 痛みが発生している場所とは別の場所に感じる痛み。
  • 中枢性疼痛 … 脳や脊髄が傷付くと痛み刺激がないのに痛いと感じることがある。

 

痛みの起こり方による分類

  • 急性痛 … ケガや急な病気で起こる痛み。
  • 慢性痛 … 痛みが長く続いている状態のこと。
  • 自発(安静時)痛 … じっとしていても感じる痛み。
  • 誘発(体動時)痛 … 安静にしていれば痛くないが、刺激が加わると痛む。

 

痛みの悪循環

痛みが激しかったり治療がうまく行かない時などに、痛みが悪化したり慢性化することがあります。

痛みを感じると交感神経と運動神経が興奮して、血管と筋肉が収縮します。

すると血行が悪くなり、その周囲の酸素や栄養が不足してきます。

その状態が続くと、痛みを感じさせる物質が産まれ、その場に停滞し「痛みの悪循環」を形成します。

この痛みの悪循環が長引けば長引くほど神経が過敏になり、ちょっとした刺激でも痛く感じてしまい、さらにストレスとなって不安などから痛み以外の症状を作り出してしまいます。

なので、痛みを感じたらできるだけ早く原因を取り除く必要があります。

 

日本人は何でも我慢しがちです。

「このぐらいの痛みはほっとけば、すぐに治るだろう」だとか、「我慢は美徳」だとか、痛みを治りにくくしています。

鍼灸師や柔道整復師だけでなく、医師や看護師、理学療法士などに早く相談してください。

当院では公式LINEを用いて、ご質問・ご相談にお答えしております。

ぜひ、ご活用ください。(トップページにリンクあり)


鍼灸のメカニズムを解説しようと思い書き始めたのですが、予想以上に鍼灸以前の基礎知識の部分が長くなってしまったため、続きは次回!(^^;)

【参考文献】

  1. 橋口さおり(2017年)運動・からだ図解 痛み・鎮痛のしくみ、マイナビ出版
  2. 小山なつ(2016年)増補改訂新版 痛みと鎮痛の基礎知識、技術評論社
  3. 伊藤和憲(2017年)いちばんやさしい 痛みの治療がわかる本、医道の日本社

投稿日:2020年6月30日 投稿者:西尾

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