今、少しでも運動してほしい科学的理由 | 2020/04/30
《もくじ》
1. 2週間運動をしないと筋力が23%も低下する
2. 元に戻すのに3倍の時間をかけても難しい
3. 運動不足による悪影響
4. 日常生活において運動量を増やすアイディア
5. プラスαの工夫で運動量UP
2週間運動をしないと、筋力が23%も低下する
デンマークのコペンハーゲン大学健康加齢センターのアンドレアス・ヴィジョルソ博士の研究によると、23歳前後の男性17名と68歳前後の男性15名を対象に脚を2週間固定し運動できない状態を作り、固定前後の筋力と筋肉量を比較したところ、筋力が若年者は平均28%低下し、高齢者は平均23%低下することが分かりました。
元に戻すのに3倍の時間をかけても難しい
筋力を低下させた後に週に3~4回の自転車トレーニングを6週間続けてもらったところ、若年者も高齢者も元の筋肉量には戻りませんでした。
つまり、運動不足によって落ちてしまった筋肉を取り戻すのに3倍以上の時間が必要ということが分かりました。
(参考文献:
(2015) ”Six Weeks’ Aerobic Retraining After Two Weeks’ Immobilization Restores Leg Lean Mass and Aerobic Capacity but Does Not Fully Rehabilitate Leg Strength in Young and Older Men” J Rehabil Med, 47: 552–560. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25898161)
運動不足による悪影響
今般の感染症で不要不急の外出自粛により、運動不足が懸念されています。
どんな人でも加齢による筋肉量の低下が起きています。
それを「サルコペニア」と呼び、筋肉量低下によって身体機能の低下が起こります。
特に高齢者の場合は「フレイル」と呼び、筋力や活動量が低下した状態(=虚弱)のことを指します。
「フレイル」は致命的で、活動量低下に伴い、筋力の低下、認知機能の低下、精神活動の低下などを招くことで、要介護状態へのリスクを高めます。
これらは悪循環になるため、持病(基礎疾患)のコントロール、適度な運動、バランスの良い食事、感染症の予防が必要です。
日常生活において運動量を増やすアイディア
今は表立ってスポーツができない状況ですが、日常生活において体を動かす量を増やすことはできます。
例えば、買い物に行った時、出入口付近の車が”密集”したエリアに駐車するのではなく、わざと出入口から離れた場所に駐車し、歩く距離を伸ばすだけも効果があります。
(車じゃなくて、歩いていけよ!って話しですよね…)
店内の滞在時間を短くするために事前に購入リストを作成してから行くことが推奨されていますね。
その時にもっと滞在時間を短くするために、通常の1.5~2倍のスピードで早歩きしましょう!
そうすれば、ゆっくり歩くよりもカロリーを消費できる上に、疲れるので夜はぐっすり眠れるようになりますね!
もちろん電気で動くエレベーターやエスカレーターは使わずに、階段を使いましょう!
プラスαの工夫で運動量UP
ちょっとした工夫で簡単に運動量を増やすことができます。
例えば、
- 歯磨きしている間につま先立ち
- スマホは立って使う
- 掃除機は腕を大きく動かす など
ちょっとした作業中、スキマ時間、通勤途中などに少しでも良いので体を動かす量を増やしましょう!
体を動かすことは筋力維持だけなく、ストレス発散やリラクゼーション効果があり、うつや不安な気分を改善してくれます。
あっ!外に出る時はマスクをしましょうね!
今が大切な2週間真っ只中です。
連休明けには少しずつでも経済・文化・日常生活が通常化しますように。
皆さん自粛しまくってたと思うので、これで突然フルパワーで動き始めると、ケガをしてしまうかもしれません。
なので、ちょっとぐらい体を動かしましょう。
そして、連休明けたら皆さんの運動アイディアを教えてください。
文責 西尾