【指導者・保護者の皆様へ】児童生徒のケガが急増中!!!【警鐘】 | 2020/06/29

久しぶりに腰痛に悩まされている鍼灸師の西尾です。

上野先生に鍼をしてもらって、とても楽になりました。

患者さんに憧れて、腹筋ローラーをやってみたのですが、普段運動しないのに突然高強度のものをするもんじゃありませんね…。

[立ちコロする患者さん。さすが柔道部。さすが末廣先生の弟。]

 

さて今回は、最近、児童生徒のケガが急増している件についてです!!!

 

児童生徒は91日間、運動していなかった!

日を追って確認してみましょう。

 

2月21日

熊本県内で初めてCOVID-19感染確認。

 

2月28日

〈熊本県教育委員会〉

3月2日から3月15日まで臨時休校決定。

臨時休校中の部活動は全ての活動を休止(練習試合、対外試合、演奏会、校外活動等を含む)。

 

3月11日

〈熊本県教育委員会〉

春季休業開始日まで臨時休校延長決定。

 

4月16日

〈政府〉

5月6日まで熊本県に緊急事態宣言発出。

(5月4日、5月31日まで延長決定。)

 

5月14日

〈政府〉

熊本県の緊急事態宣言解除。

〈熊本県教育委員会〉

①5月18日から31日までの間、登校日を設定し、分散登校等により授業を再開

②6月1日から通常登校により教育活動開始

③部活動は5月31日まで校内外全ての活動休止

と発表。(熊本市は5月25日から臨時登校、6月8日から通常授業。)

 

つまり、3月2日から6月1日までの少なくとも91日間(13週間)部活動は完全に休止状態だったことになります。

 

ケガをする児童生徒が急増中!

しっかり統計を取ったわけでなく、あくまで私の主観的なものですが、今月はケガをした児童生徒が多かった印象です。

 

以前、「今、少しでも運動してほしい科学的理由」でも紹介しましたが、

・2週間運動しないと筋力が23%低下する。

・3倍の時間をかけても筋力は元に戻らなかった。

という研究報告があります。

 

13週間も運動しなかったら、一体どのくらいまで筋力が落ちるのか。

私が調べた限りでは具体的な数値は見つかりませんでしたが、児童生徒の体力は過去に例を見ないほど低下していることは明白です。

 

5月下旬頃から当院には、

  • 部活動開始1日目から4時間も練習した生徒
  • 部活動開始2日目からガッツリ(休校直前の運動強度で)練習した生徒
  • 体育の体力測定でシャトルランを行った児童

などなど、多くの児童生徒がケガで駆け込んできています。

まだ高強度の運動をするには早すぎるのではないかと危惧しています。

肉離れや捻挫など、どれも筋力低下が原因と思われるものばかりです。

 

そんな中、熊本県高校体育連盟は高校総体の代替大会を7月から8月上旬にかけて行うと発表しました。

(参考:熊本県高等学校体育連盟

最終学年の生徒のため、1つの区切りとして開催されるようですが、ケガをして出場できなければ元も子もありません。

 

行政は予想していた?

文部科学省の通知をみると、部活動の再開に当たっては「一斉臨時休業及び春季休業期間において、運動不足となっている生徒もいると考えられるため、十分な準備運動を行うとともに、身体に過度な負担のかかる運動を避けるなど、生徒の怪我防止には十分に留意すること」(引用:「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における教育活動の再開等に関するQ&Aの送付について」文部科学省)となっています。

また、保健体育の授業においても「臨時休業の長期化により体力の低下が懸念されることを踏まえ、児童生徒の身体状況を把握しながら段階的に活動を行うこと」(引用:「学校における教育活動の再開について」熊本県教育委員会)と配慮するよう要請されています。

 

部活においても、段階的に再開されるべきだったと思います。

 

日本は指導者の質が問われている

日本の体育会系部活動は、海外と比べたら特殊です。

 

日本ではスポーツを「体育」として行い、明治維新以降、富国強兵のため学校教育の中に組み込まれました。

一昔前まで「ケガぐらいで弱音を吐くな」「水は飲むな」などの根性論が強いられ、勝利至上主義のもと、洗脳的指導が普通であり、今でも時折、野球や相撲などの様々な競技で「常識を逸した指導」が問題となっています

今では質より量の練習は「効果はなく、害である」という研究結果が世界の常識となっています。

もし、アメリカで指導者が長時間練習をさせたり、ケガをさせてしまったら、虐待で捕まりますよ。

 

近年、児童生徒の体力低下や高齢者のフレイルなどから、文部科学省は心身の健康維持・増進のため「だれもが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツ」を行えるよう取り組んでおり、そのためには「スポーツ競技」=「部活で辛いもの」という認識をなくすことが生涯スポーツの発展に繋がると言われています。

 

脱線したのでまとめると、小学校・中学校・高校のうちに「スポーツの楽しさ」をもっと教えてほしいということです。

保護者の皆様方には、我が子のスポーツ外傷・障害を防ぐためにも、スポーツ指導者が公的資格を保有しているかどうか確認してみてほしいと思います。

詳しくは他サイトに譲りますが、数多くの記事があるので検索してみてください。

 

今回の部活動再開で危惧していること

大きく2つあります。

 

まず、急な激しいプレーはケガのリスクを高めます。

特に中学1年生と高校1年生の新入生は例年の新入生よりもブランクが長ったため、ケガの発生リスクが高いと考えられ、注意が必要です。

 

また、熱中症は梅雨が明けた頃が一番危険です。

熱中症の発生時の環境条件は、気温が高いことよりも、湿度が高いことの方が発生リスクを高めます。

雨が降ったあとの晴れた日が本当に危険です。

例年なら春から夏にかけて日々活動しており、暑熱順化が行われるため気温の変化に身体が対応してくれます。

しかし、今年は6月から急に運動を始めているため、十分に順化できていない可能性が高いです。

なので、代替大会の7月開催は本当に心配です。

(参考:「熱中症を防ぐためには」環境省

 

スポーツ再開時の運動強度について

最後に、スポーツ活動再開時の運動強度に関する報告がありましたので紹介します。

(引用:「安全に配慮したスポーツ活動の再開にむけて」公益財団法人日本スポーツ協会

 

アントラーズスポーツクリニックさんでも紹介がありましたので、掲載しておきます。ご参照ください。

運動負荷を戻すまで

前回は、GPSを使用した研究を踏まえて、スポーツ活動再開後の急激な運動負荷の増大は怪我に繋がるとお伝えしました。しかし、GPSを使用して評価することが可能なチームは多くないと思います。今回は、中断前の運動負荷に戻すまでの期間がどのくらい必要になるのかをお伝えします。下記の式に休止期間とその時のトレーニング量を入力することで、元の負荷に戻すまでに何週間要するかがわかります。その期間をかけて徐々に負荷をあげ、怪我の予防に努めましょう。0.5533×休止期間の長さ(週)ー0.0587×休止期間中の練習・トレーニング量(休止前の練習・トレーニング量を100とした時の%)参考文献:Purdam et al.Prescription of training load in relation to loading and unloading phases of training,2015#ASC #アントラーズスポーツクリニック #緊急事態宣言解除 #怪我予防 #GPS #ACWR

アントラーズスポーツクリニック – ASCさんの投稿 2020年5月18日月曜日

(引用:「スポーツ再開後の運動負荷を戻すまで」アントラーズスポーツクリニック

千葉大学附属病院スポーツメディクスセンターでも紹介がありましたので、掲載しておきます。ご参照ください。

(引用:「新型コロナウイルスから体育・スポーツを安全に再開するためのガイドライン」千葉大附属病院のスポーツメディクスセンター

 

急な運動はケガの元です。

運動会などでお父さんたちがケガをするのと同じです。

くれぐれもご注意ください。


投稿日:2020年6月29日 最終更新日:2020年7月1日(一部追記・変更しました。) 投稿者:西尾

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